花粉症

  • 2021.11.17

院長の白石です。ヒトの体には、異物(抗原)が体内に入ってきた際に、異物に対する「抗体」が作られ、再度入ってきた際にすぐに認識し攻撃できるような機能(免疫系)が備わっています。このあたりはTVアニメ「はたらく細胞」で非常に子供でもわかりやすく、しかも意外と医学部の学生が見ても勉強になる形で描かれているので、動画配信もされており興味のある方はご覧になって下さい。

しかしながらこの免疫系が過剰に反応(暴走)してしまうと、防御しようとする症状があらわれてしまいます。これが「アレルギー」です。何事もバランスが重要ということですね。今回のコロナ感染症重症化でもサイトカインストーム(免疫系の暴走)が問題になりました。

アレルギーによりあらわれる症状は、くしゃみや鼻汁、口・のど・眼のかゆみ、皮膚の炎症など、人それぞれです。また、アレルギーを引き起こす異物(抗原)についても、食品や薬剤、花粉など様々なものが知られています。花粉によってアレルギー症状が出るのが「花粉症」です。

花粉症というとスギ・ヒノキが有名ですが、さまざまな植物の花粉が、1年を通じて飛散しています。11月~12月は比較的少ない季節ですが、イネ科やキク科(ブタクサ属・ヨモギ属)でしょうか。view39という血液検査をすると、環境系や食物系も含めて39個の物質についてのアレルギーの状態がわかります。保険診療で可能ですので、ご興味がある方はご相談ください。

花粉症の治療と言えば、抗原除去(マスクや眼鏡・肌の露出のない服装、空気清浄機など)を基本として、薬物治療が一般的です。今では、処方箋なしに薬局で手軽に一部の抗ヒスタミン薬は手に入る時代になりました。当院に来院された患者様には、運転制限、妊娠・授乳の有無、1日1回か2回か、などの項目をうかがって、適切な抗ヒスタミン薬を処方しています。抗ヒスタミン薬の他に症状に合わせて、他の抗アレルギー薬を追加したりもします。

1種類ぐらい抗ヒスタミン薬を飲むぐらいじゃ症状が酷くて生活に支障が出るという方には舌下免疫療法もお勧めです。3年近く治療期間がかかりますが、今までの症状が大幅に軽減する可能性があります。残念ながらこの舌下免疫療法ができるのは、花粉症では「スギ」のみです。あと通年性でアレルギー症状が出る「ダニ・ハウスダスト」にも適応があります。当院でも舌下免疫療法は行っているので、ご興味のある方はご相談ください。「スギ」については花粉が飛散しだしたら開始できないので、ちょうど今がはじめ時です。

それでは今日はこの辺で。今日もインフルエンザ予防接種、接種、接種でがんばります。

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