プラセンタ💉
- 2021.11.13
院長の白石です。インフルエンザの予防接種真っただ中です。さて、最近エレベーターホールの看板にチラシを置いているせいか、プラセンタ希望の患者様がじわっと増加傾向です。今日はプラセンタと保険適応である更年期障害についてです。
日本人の平均閉経年齢は約50歳ですが、個人差が大きく40歳台前半~50歳台後半に閉経を迎えます。この閉経前5年間~閉経後5年間の約10年間を更年期と呼びます。更年期に現れる諸症状の中で、他の疾患を伴わないものを更年期症状、生活に支障が出る状態を更年期障害と呼びます。症状には、顔がほてる、手足の冷え、イライラ、寝つきが悪い、めまいなどなど、皆さんが同じというわけではなく個人差があります。
更年期障害の治療法には、ホルモン補充療法、漢方薬、プラセンタ注射などがあります。
それではプラセンタ注射についてです。そもそもプラセンタ(placenta)って何でしょうか?英和辞典で調べてみるとわかりますが、「胎盤」です。プラセンタを医薬品として応用した歴史は古く、ヒポクラテス(紀元前400年頃)の時代までさかのぼるそうです。古代エジプトのクレオパトラも愛用したと伝えられています。中国では秦の始皇帝以来、不老長寿の妙薬として用いたといわれ、その後、紫河車という漢方薬名で幅広く活用されました。ここで疑問に思ったのが、古代から人の胎盤を利用したとありますが、感染症対策などはしていなかったのだろうと想像してしまいます。因みに日本では医薬品のプラセンタは保険適応疾患が異なりますがメルスモンとラエンネックの2種があります。今回は、更年期障害に適応のあるメルスモンのさらに紹介です。
メルスモンは「メルスモン製薬株式会社」と社名にもなっています。昭和31年に承認された医療用医薬品(注射)です。感染症のスクリーニングにパスした国内のヒト胎盤を原料として、さらに最終段階で高圧蒸気滅菌を実施しているなど、最新の注意を払って製造されています。今までメルスモンによるウイルス感染は報告がありません(ラエンネックについても同様です)。胎盤から抽出された多数のアミノ酸が含まれており、更年期障害と乳汁分泌不全に保険適応がありますが、詳しい作用機序は不明な部分が多いと聞いたことがあります。あと、治験の関係らしいのですが、皮下注射のみとなります。もう一方のラエンネックが皮下注射の他に筋肉注射でも投与ができるのに不思議だなと思いました。
当院でもメルスモンの皮下注射を1週間に1~2回の割合で来院される患者様が多いです。もしご興味がある方は、お問い合わせ下さい。明日も休日出勤でインフルエンザの予防接種です。ではよい週末をお過ごしください。