「救急の日」「救急医療週間」
- 2021.09.11
院長の白石です。今日も天気は今一つですね。さて今週は、「救急の日:9月9日」を含む一週間(令和3年9月5日(日)から9月11日(土)まで)ということで、「救急医療週間」となっています。目的は、救急医療及び救急業務に対する国民の正しい理解と認識を深めるとともに、救急医療関係者の意識の高揚を図ることのようです。
皆さんは、救急車を呼んだことはありますか?日本では消防・救急は「119」、警察は「110」と分かれていますが、米国などでは「911」と統一です。因みに子供の頃にはありませんでしたが、海上保安庁「118」も新設されました。コロナ禍でなければ、「119」にかけたら必ず救急車が来てくれて、適切な医療機関に搬送してくれます。しかも海外と違い無料です。これは素晴らしい制度だと思います。この無料ということで、タクシー代わりに利用する人もいれば、逆に近所に目立つからと重症なのに電話をされなかったりと様々です。救急車を呼ぼうか迷っている方に「#7119」という相談ダイヤルがあるそうです。全国で実施はされていないのですが、便利だと思います。個人的には、いつもと違う何かおかしいと思ったら、「#7119」を実施している地域であれば、ワンクッションおくこともできますが、 躊躇なく「119」してもいいのではと思います。本当に救急対応が必要かを一般の方が判断するのは、かなり困難だと思います。
以前の勤務先での話ですが、右の肩こりで中年の男性の方が来院されました。肩こりの患者様は、意外と血圧が上がっていることもあるので、念のため血圧測定をしました。 右の肩こりで内科疾患と言えば胆嚢炎などですが、この患者様は腹部症状はありませんでした。 血圧が若干高かったので、万が一と思い心電図を測定させてもらいました。そうしたら処置室から看護師が飛んできて、「先生、心筋梗塞っぽいですよ」と。確かに波形を見たら、心筋梗塞の疑いが強く、「トロップT」という心筋梗塞の迅速検査をしたら陽性、連携していた病院に救急搬送となりました。
本当に医師でも症状だけで緊急性を要するか要しないか判断するのは難しいので、ご自宅で調子が悪くなった際に、救急車を呼ぶべきか判断するのは困難だと思っています。ただ救急要請が増えると、救急車の台数も限られているため、搬送まで時間がかかり、非常に重篤な方の処置が遅れてしまいます。本当に悩ましいところです。今回のコロナ禍で、コロナで自宅療養の方が救急車を呼んで来ても、酸素飽和度があまり下がっていないので搬送せずに帰って行ったり、搬送しようとしても搬送先が見つかるまで5時間かかったと患者様から教えてもらいました。救急隊の方も、本来は適切な医療機関に繋ぐのが役目なのに、気の毒だと思います。
コロナ禍について夏のピークは過ぎたと思いますが、感染症と人類の戦いは、永遠のテーマなので、またコロナが変異して猛威をふるったり、新興感染症が現れたりしなければいいのにと日々思いながら診療しております。
では、天気は今一つですが、よい週末をお過ごしください。