肘内障
- 2021.02.05
院長の白石です。整形を標榜しているので、「子供の肩が抜けたんですが、治してもらえますか?」という電話📞を時々頂きます。実際に来院して頂いて、お子様の様子を診ると、上肢をだらんとして、痛がって泣いています。「手を繋いでいて、転びそうになったので、慌てて腕をひっぱたら泣き出しました。」とお母様。まあ、中にはお父様とプロレスごっこをして腕が動かなくなったというお子様もいらっしゃいましたが😁
上記のような症例のほとんどが、肘内障といって肘の関節の亜脱臼です。就学前のお子様は肘の輪状靱帯という靱帯が緩いので、腕を引っ張られたり、転倒して外力が加わると亜脱臼をしてしまいます。但し、骨折のこともあるので、レントゲンで確認するようにしています。以前、「肘内障でしょうか?」と来られたお子様は、鎖骨骨折でした。
骨折が無く、肘内障が強く疑われれば、徒手整復を行います。手技は何通りかありますが、整復する際に多少痛いこともあるので、今まで以上にお子様が泣いてしまうことも。お父様・お母様の冷たい視線😒を受けながら、「エイ!」という感じです。典型的には、「ポキッ」と整復時に感覚があります。急に泣き止んで腕を動かすようになり、お父様・お母様のほっと笑顔😄でめでたしめでたしなんですが、何事も例外があるのでそれが難しいところです。
お子様の体を引き寄せる際は、手を引っ張らずに体ごと抱きかかえて下さいと指導しますが、「危ない」と思って、体を抱きかかえる余裕がなければ、手を引っ張て頂ければと思います。肘内障になっても、大きな怪我が避けられればよしということでしょうか。
今回は肘内障についてコメントしました。自治体の母親・父親学級などでなり易い疾患の一つとして取り上げていただければいいなあと思います。