結核予防週間

  • 2021.09.27

院長の白石です。9月24日~30日は結核予防週間です。結核と言えば、昔の映画等に登場人物が「サナトリウム」で療養などというかたちで描かれています。宮崎駿監督の「となりのトトロ」の七国山病院や、「風立ちぬ」の富士見高原療養所などがそうです。抗生剤ができる前は、かなりの方が亡くなられました。抗生剤も開発され、治療法も確立した現代では、過去の病気と考えがちですが、いまだに年間1万人以上の患者発生があるそうです。

さて、結核は法律で診断した場合、結核発生届を出さないといけないのですが、何回か提出した経験があります。過去にはこんな症例もありました。この症例では私は届出を出してはいないのですが😅。臀部の皮下が感染しており、膿も出ていました。感染性粉瘤を疑い切開・排膿して洗浄したんですが、症状が遷延していました。肛門周囲膿瘍かも?と思い、基幹病院🏥に紹介しました。しばらくして紹介状の返信が届きました。基幹病院でも画像診断を行い加療していたそうですが、症状が遷延して、さらに精査したところ皮膚結核が原因だったそうです。結局、結核の治療ができる別の病院へ転院となったそうです。

有症状の新規肺結核患者様の2割弱が、発病から診断まで3か月以上かかったというデータもあります。高齢者や糖尿病の方などは、結核が発病しやすいので注意が必要です。全く症状がない場合も、胸部レントゲンでわかることもあります。勿論結核以外の病気の早期発見にも繋がりますので、年に1回は職場の健診や市町村の健診を受診することをお勧めします。

新型コロナウイルスの感染者数は減少傾向です。今年の冬の流行はどうなることやら🙄?先日抗体カクテル療法のできる病院の一覧を頂きました。でもやはり、利便性を考えると経口薬が開発され、外来で処方できる日が来ることを期待しています。それでは、9月最終週がんばりましょう。

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