感染症法について

  • 2021.08.02

院長の白石です。新型コロナウイルスの患者数が爆発的に増加中です。1年前にここまでなるとは誰が予想していたでしょうか?コロナウイルスも重症化することがあり、「指定感染症」になっており2類相当ですが、全く症状の出ない不顕性感染者も多く、感染拡大の一因だと思います。感染症法では、もっと恐ろしい1類感染症というのも存在します。

1類感染症:危険性がきわめて高い感染症(エボラ出血熱・クリミアコンゴ熱・天然痘・南米出血熱・ペスト・マールブルグ病・ラッサ熱)となっています。少し前になりますが、1995年にアメリカで制作された映画「アウトブレイク」は原因不明の出血熱について描かれています。記憶にある方もいると思います。この際に、アメリカ陸軍感染症医学研究所が出てきますが、アメリカは世界中に兵士を送っているので、感染症については陸軍や海軍が予算を出して研究しているようです。学生時代に、アメリカのFDA(食品医薬品局)に行く機会があり、詳細は不明ですが感染症について隣接している海軍病院と共同研究をしているようでした。

話はそれましたが、1類感染症の患者様は私自身は勿論お目にかかったことはありません。もし日本で患者様が出たらニュースになるレベルだと思います。

2類感染症:危険性が高い感染症(急性灰白髄炎・結核・ジフテリア・重症急性呼吸器症候群(SARS)・中東呼吸器症候群・鳥インフルエンザ(一部))

ここにもありますが、結核は過去の病気ではなく現在でも発生しており、私自身も患者様の届け出を提出したことは何回かあります。新型コロナウイルスも現在はこの2類相当の指定感染症になっています。

3類感染症:総合的な観点からみた危険性が高くないが、集団発生を起こしうる感染症(コレラ・細菌性赤痢・腸管出血性大腸菌感染症(O-157)・腸チフス・パラチフス)

個人的な感想で申し訳ないですが、ウイルス性の感染症の方がたちが悪いかな?と思います。そもそもウイルスが「生物」か「非生物」かで、専門家の間でも議論になるところのようですが、ウイルスは遺伝子レベルの変異も多いですし、抗ウイルス薬やワクチンの開発は大変かな?と思ったりします。ウイルスを生物と考えれば自分の子孫を残すために、感染した宿主を殺してしまってはもともこもない、感染した宿主と共存した方が(生かさず・殺さず)の方が高等ではないかと思います。

感染症法では4類・5類と分類が続きます。ちなみに毎年馴染みのインフルエンザはご存じの方も多いと思いますが、5類に分類されています。

長くなりましたが、本日はこの辺で失礼いたします。コロナが終息することを願っております。

PAGE TOP