アッペ・ヘモ・ヘルニア

  • 2021.04.06

院長の白石です。4月から待望の新人が加入したため3日に1回から、4日に1回のペースに減ってくれて有難いです😅。本日のお題のアッペ・ヘモ・ヘルニアですが、外科研修医がまず習う手術手技でした。

アッペ:急性虫垂炎、ヘモ:内痔核、ヘルニア:鼠径ヘルニアのことです。それぞれの疾患は奥深いのですが、今回はアッペについて取り上げたいと思います。「盲腸」になってと一般的に言われますが、「盲腸」は誰にでもあります😁。その先からペロっと飛び出している細長い袋を「虫垂」と言い、そこの炎症が「虫垂炎」(俗にいう盲腸)です。人間の消化管としての役割はほとんどないですが、最近は免疫系に関与しているのではと言われています。

虫垂炎、私が研修医の頃は開腹手術の中では初めて習う手技でした。主に緊急手術だったので、お腹が痛いと救急外来を受診され、指導医の先生から、「白石君、アッペ来たから宜しくね!😄」って夜中でも、休日でもコールがあり。一般的には、「エー😆😆😆」なんですが、外科医としては合コンなんかよりラッキーなお誘いなわけです😅。有難い・有難い😄。やはり症例を積まなければならないので、ロールプレイングゲームで言えば経験値を積まないとレベルが上がらないと同じです。中規模病院だと麻酔科の先生が当直されていないので、当科麻酔と言って外科医が自分たちで麻酔をかけて、手術をするわけですが、指導医の先生が小さな術創から、炎症のある虫垂を指先の感覚だけで、創外に出して、ささっと麻酔含めて1時間程度で終えるのは流石だなと思いました。

さて、先日当院に虫垂炎疑いの患者様が来院されて、総合病院に紹介させて頂きました。結果、虫垂炎で入院となったのですが、緊急性はないとのことで保存的に加療され、増悪したら手術の方向とご連絡を頂きました。病院のHPを拝見させていただいたら虫垂炎の手術症例のうち開腹は年間1件のみで後は、腹腔鏡下手術と記載がありました。時代が変われば手術手技も随分変わったなと思います。開腹の虫垂切除を知らない研修医もいそうです。いや~ビックリ😱。

画像がないので当院の手術器具を一つ紹介させて頂きます。モスキート鉗子です。鉗子の先が「蚊」の口のように細いのが名前の由来です。巻き爪の手術とか皮膚切開など当院ではよく登場します。それでは本日はこの辺で失礼いたします。

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